難病やその他病気との共生

病気をかかえながらも転職に成功-栗林さん(第一回)

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私自身が難病にかかったばかりのころ、難病に関してTwitterなどで積極的に発信している方がいらっしゃるということで栗林さんをご紹介いただき、そこからたまに情報交換させていただいています。

難病をもちつつもワーキングマザーとして精力的に発信していらっしゃる栗林さんの考え方に感銘を受け、改めてお話をうかがう機会をいただきました!

全三回でお送りします!


まずは簡単に自己紹介をお願いします!


栗林杏子と申します。Twitterでは自称・難病ワーママとして活動しています。
今は33歳で、22歳の時に関節リウマチが発症して以来、約10年間、関節リウマチと共に生活しています。
また、1年ほど前からは指定難病の1つであるシェーグレン症候群も発症しました。全身性エリテマトーデス(SLE)についても数値的には疑いがありますが、まだ症状は出ていない為、こちらは予備軍として、発症しないよう日々気をつけて生活しています。どれも関節リウマチに関連した病気なので、併発する方も結構いらっしゃるようです。


実際にはどのような症状があるものなんでしょうか?


関節リウマチによる影響としては、特に関節の痛みが強いというのが大きな症状でした。ただ、30代になってシェーグレン症候群も発症してからは、倦怠感やドライアイによる辛さが加わりました。
また、SLE予備軍になってしまってからは、紫外線による暴露を避けるため、日光に当たることができなくなってしまい、子どもと長時間屋外で遊んだり、趣味の旅行やスキューバダイビングが厳しくなったのが個人的には残念です。


趣味が制限されるのは悲しいですね…。初めて病院にかかったのは、どんなきっかけだったのでしょうか?


2011年ごろ、突然膝がパンパンに腫れ、強い痛みが続くようになってしまったためです。
最初はカイロプラクティックに通って対応していたのですが、症状が断続的に出ていることから、担当の先生からも病院の受診を勧められ、整形外科を訪れました。
そこで検査を受けた結果、関節リウマチとの結果が出たため、専門の病院での治療が開始しました。そこまでたどり着くのに、最初の発症から3-4か月くらいかかったイメージです。


22歳の時というと、ちょうど大学を卒業して社会人になるタイミングですね?


学生時代は留学をしていたので、1年遅れでちょうど就職先を決めようとしていたところでした。
もともと海外が好きだったため、「絶対に旅行会社に就職したい」という思いが強く、第一志望だった旅行業界で内定が決まったタイミングです。
ただ、旅行会社に就職すると、1年目の社員は全員添乗員を経験することになるため、「関節リウマチをもちつつ、立ち仕事の多い添乗員の仕事ができるのかな?」と悩んでいました。
そして結局、夢だった旅行会社への就職は諦め、体を大切にしながら旅行に関われるホテルに就職することにしました。


それは辛かったですね…。どうしてそのホテルへの就職を決めたのですか?


ホステルのように海外の旅行客が多い形態で、従業員にも外国人が多く、働きやすい雰囲気だと思ったからです。特に、夜勤をしないで済むシフトだったため、治療をしながら勤務を継続できたのはありがたかったです。
また、関節リウマチがあるため、座りながら仕事をできる職場であるという点も重要でした。
ここでは4年半ほど働いていましたが、将来的にホテルを経営したいという夢があり「もっとビジネスを学びたい」と思ったことから、心機一転、比較的経営層に近いポジションで働け、さまざまな経験ができる不動産関係のベンチャー企業に転職することにしました。

※通常のホテルではフロントには椅子がないことが多いため、座って働ける職場というのは貴重だそうです。


病気を抱えた上での転職活動は難しい面もあると思うのですが、どのように転職したのでしょうか?


履歴書などに、
 ①関節リウマチを患っていること
 ②平日の通院が定期的に必要であること
 ③関節リウマチにはこういう症状があります、という説明
を事前に詳しく記載した上で、それを了承してくれる職場のみ受けるようにしていました。
結果的に、それらの情報を伝えた上でも問題ないと言ってくれるところがあり、入社することになりました。
こちらで働いている間に、結婚や出産なども経験しました。


やはり、ご自身の状況について事前に正確に開示するのは重要そうですね。
それにしても、病気とともに生活しながらも、転職のみでなく、プライベートもしっかりと両立しているのはさすがです!

第二回では、日常生活や、結婚・出産などにおいて経験した悩みと、それらに対する工夫について、さらに伺っていきます。

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