難病やその他病気との共生

悩みながらの結婚と出産-栗林さん(第二回)

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第一回では、難病患者になるまでの経緯と、これまでのキャリアについて伺いました。第二回では、結婚・出産などにおいて経験した悩みと、それらに対する工夫について、さらに伺っていきます。


関節リウマチが発症してから結婚・出産もご経験されたとのことですが、悩むこともあったのでしょうか?


結婚においては、金銭面も含めて結婚相手からのサポートを必要とする部分が大きいため、「大丈夫かな?」という不安はありました。特に、関節リウマチは難病認定されないので、ひどい時は、薬代だけで月5万円くらい自己負担してたんです。
そのため、再燃すると一時的に働けなる可能性や、妊娠・出産における危険性などのリスクとして挙げられる内容や、相手に生じうる負担などを丁寧に何度も確認しました。
夫は、全て寛大に受け止めてくれたので良かったです。


やっぱり、結婚の時にもしっかりとご自身の言葉でご説明になったのですね。出産に関してはいかがでしょうか?


出産については、結婚以上に悩みました。
特に、妊娠中は減薬の必要がありますし、出産を経て病気の症状が悪化するというケースも聞いたことがあります。そのため、「本当にそこまでして子供が欲しいのか?」と何度も考えました。


それだけ悩んでいた出産について、決意がついたのは何がきっかけだったのでしょうか?


ホテルで働いていた時のお客様との会話です。
実は、勤務先のホテルのお客様の中に、自分と同じ関節リウマチを患っている方がいて、よくお話していたんです。そしたら、なんとその方にはお子さんが3人もいらっしゃることがわかって。
その方も、出産しては悪化し、出産しては悪化し、というのを繰り返しており、家ではほとんど寝たきりで過ごしていたそうなんです。ですがその分、パートナーが子育てや家事をたくさんサポートしてくれているという話を聞きました。
この話を聞いたおかげで、元々思い描いていた「お母さん像」の固定概念をアップデートでき、勇気をもって出産に挑むことができました。


確かに、夫婦で支え合って家事や子育てをするというのは、どの家族にとっても重要なことですね!
妊娠~出産においてはどのように過ごしていらっしゃったんでしょうか?


実は、妊娠して出産するまで、胎児への影響を最小限にするため、元々自分に合っていた薬が使えなくなっていました。それもあって、一時期寛解していた症状が産後に再燃してしまいました。
合う薬が見つかるまでは結構大変で、1-2週間飲んでみて、副作用強すぎるから別の処方に変えて、といった形で3週間おきに通院して薬を試していました。
また、出産を経ると体質が変わるようで、シェーグレン症候群を最近発症したのも、出産が一つの要因かもしれません。
これらの症状が結構重く、育休後に一度復職したのですが、病気を理由とした休職も経験しました。

せっかく寛解した病気が再燃してしまうと、当たり前だった日常生活が送れなくなってしまうやるせなさがありそうですね。

第三回では、関節リウマチの再燃やシェーグレン症候群の発症を乗り越えた「今」の生活について伺います。

※寛解……全治とまでは言えないが、病状が治まっておだやかであること。

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